みだしなみ
スーツ着用のビジネスマンにとって、ことさら気になるのが肩に落ちたフケ。満員電車などで、すぐ鼻先に他人のフケが散らばっているのは、なんとも不快なものである。頭をバリバリかきながら名推理を繰り出す金田一耕助のフケだって、決して美しいものではない。
このフケとは、そもそも何だろう? 頭皮に悩む男性顧客も多く訪れるというヘアーサロン「ジャック・モアザン」に聞いてみた。
「フケとは、代謝やダメージによって剥がれ落ちた頭の皮質です。フケには乾燥型と脂性型の2種類ありますが、スーツの肩口にぱらぱら落ちているのは前者ですね。これは主に、髪の洗いすぎやドライヤーのあてすぎによって発生するケースが多いです」(ヘアーカッティングガーデン ジャック・モアザン 新宿店・遠田康裕店長)
頭皮も肌と同じで、乾燥は大敵。頭皮の脂質不足がフケ発生の原因となるのだ。
「洗髪時に、シャンプーをしっかり洗い落とすことも重要です。シャンプーに含まれる界面活性剤が頭皮に付着し続けることは、大きなダメージになります。リンスにしても、基本的には地肌ではなく髪に塗布するために作られたものですから、一部の特殊な製品を除いて、やはり頭皮に残るのは好ましくありません。洗髪の際はしっかりと髪に指を通し、地肌をやさしく洗ってください」(遠田さん)
シャンプーにも脂性肌用、乾燥肌用と様々ある。まずは自分の肌質を知り、適切なシャンプーを選ぶのが一番。自己判断が難しければ、通っている美容室で聞いてみるのもいいだろう。
「頭皮が生まれ変わるサイクルは、およそ28日といわれています。ですから、フケに悩んで新しいシャンプーに変えた時などは、はっきりと改善が見られなくても1カ月は使い続けてみることをお勧めします」(同)
また、体質にもよるが、フケが発生しやすい季節というのもあるという。秋から冬にかけては、夏に浴びた紫外線のダメージが表れる時期で、頭皮が剥がれ落ちやすい。空気が乾燥してくることもマイナスに働く。
そして最後に、頭皮トラブルの大きな原因として、「髪が濡れたまま眠ること」を遠田さんは指摘する。
「湿った髪のまま床に就くと、枕や地肌との摩擦で、頭皮や髪の毛が傷つきます。これはフケのみならず、抜け毛の原因にもつながりますから、洗髪後はしっかりと乾かしてから眠ってください」
つまり、風呂あがりのドライヤーは、乾かしすぎず・湿りすぎずの適度なさじ加減が大切なのだ。(R25より)
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